2月29日の日記に書いたように所属する日本化粧品技術者会の第39回SCCJセミナー【お客様品質を目指して−品質保証に必要な技術・知見を学ぶ−】に行ってきました。
講演A「低刺激性製剤の開発」 且草カ堂リサーチセンター 杉山真理子氏
要旨:化粧品が安全に使用できることは、品質の根幹であることは言うまでもない。化粧品の安全性は、主な適用経路である皮膚への毒性のみならず、全身への影響も含めて検討すべきであるが、製品を使用した際、単回の適用でも生じ、誰にでも生じる可能性がある「刺激性」は、製品使用との因果関係が考察しやすいので、基本的で最も考慮すべき毒性のひとつと言える。本講演では、低刺激性製剤を開発するための参考となるよう、感覚刺激性も含めた、刺激性の評価方法と評価事例を中心に述べる。
要旨は上記の通りですが、講演のなかで次のような話がありました。
4 低刺激性製剤開発の方向性
4.1 原料の厳選
4.2 添加物による低刺激化
「原料の厳選」は、あんだんてでは最重要課題として取り組みました。
高い安全性データが揃っていて、かつ使用実績のある成分を厳選したら旧表示指定成分は含まれていませんでした。言わば自然に無添加処方になっていました。
「添加物による低刺激化」も興味ある方法で
アニオン活性剤と両性活性剤を混合することにより、複合体が形成され、刺激性が低減されるとの報告もあるとのことでした。
アルキルサルフェート(注:高級アルコール系活性剤)とアルキルベタインの混合により刺激性が低減されています。
あんだんてではアニオン活性剤としてアミノ酸系界面活性剤「ラウロイルメチルアラニンNa)を、両性活性剤としてアルキルベタイン(コカミドプロピルベタイン)を使用していますので一層低刺激化されていると思います。
あんだんてでは保湿剤を高濃度で配合していることも低刺激性向上に役立っているのではないかと考えています。
セミナー後のフリーディスカッションの折に演者の杉山真理子氏に、この考えを伺ったところ、ありうる話ではあると言っておられました。
2012年03月09日の日記「毛穴、ニキビと保湿」に書いたように保湿は低刺激化に役立っているのではないかと考えています。