化粧品素材メーカーはパンフレットのほかに特定の製品ごとに「技術資料」を持っています。
私のように他の分野の者が配合設計をするには、ここまで目を通さないと素材を使いこなせません。
あんだんてでは安全性のデータが揃っていて使用実績の豊富なものを選定しますので素材メーカーは技術資料を揃えています。
ただ、化粧品原料は販売ルートが確立していてそのルートでないと技術資料を入手しにくい問題もあります。
洗浄成分など主要な素材は開発に協力してくれた洗剤開発会社(材料の卸問屋でもある)経由で入手しました。
それ以外の素材を全部その会社に頼る訳にもいかないので個人で調達します。
その時に役に立ったのは有田技術士事務所です。専門分野は違うのですが、事務所名で資料請求すると技術資料の提供に応じてくれました。
一丸ファルコスさんや丸善製薬さんなどは技術資料にとどまらず、素材の使用特許問題の相談に乗っていただいたり、詳細な文献なども送っていただいたりして大変お世話になりました。
不本意だったのは味の素さんです。アミノ酸系素材メーカーのトップ(ほぼ独占的)で詳細な技術資料を持っています。
技術資料を請求したところ電話がかかってきて設計目的、販売ルートなどを根掘り葉掘り聞かれ30分以上粘られた上に、「設計する以上素材を購入するルートがある筈です。そのルートでご請求下さい。」でおしまいです。
それなら最初から言うべきで、こちらの情報のみ徹底的に収集して「ハイそれまで!」というのも失礼な話です。個人で設計しても土台ものにならないだろうと見放されたのかも知れません。
当時は「買ってはいけない」が大ヒットした時ですし末端商品を持っているので警戒するのも分ります。しかし他の会社(素材専業メーカー)が協力的だったのと対象的でした。
その意味でも主剤を同じアミノ酸系でもラウロイルメチルアラニンNa(メーカーは川研ファインケミカルさん)にしたのは正解でした。